メタボローム解析

乳酸菌生産物質のメタボローム解析

メタボローム解析とは?

メタボローム解析(Metabolomic analysis)。またはメタボロミクス(Metabolomics)ともいう。データ解析技術の飛躍的進化によって実現した、ヒトの数百種類にもおよぶ全代謝物質を一度に解析する先端技術のこと。

これにより、特定の患者グループに特徴的な代謝物質を見つけることで、ある病気の診断用バイオマーカーとして使われたり、食品中成分を調べることがより良い健康機能性食品の開発に役立っており、今後、幅広い分野におけるメタボローム解析の利用がますますさかんになると予測されている。

なぜメタボローム解析が有効なのか?

メタボローム解析技術の発展により、これまで存在が判明しなかった腸内細菌が検出可能になり、それまで「100種以上の細菌が棲みついている」と言われてきたものが「500種以上」もいるということが分かってきました。

腸内では多種の菌が棲みついて共棲状態(腸内フローラ)を維持し、その代謝物によって菌同士が情報を伝達し合い、腸内菌バランスを良好に保っています。理想的な腸内フローラの形成こそが、ヒトを健康に導く……これは、腸内細菌学の第一人者である東京大学名誉教授・光岡知足先生が、腸内菌を培養に培養を重ね研究して実証した論説です。

弊社の乳酸菌生産物質は、限りなくヒトの腸内フローラに近い共棲状態を保った菌群から作り出されています。従って、そこから得られる代謝物を詳細に解明することこそが、乳酸菌生産物質の人体における有用性の根拠に近づく第一歩だと考えました。

そこで、私たちの製品についてメタボローム解析を行うことで、物質名と機能性を把握しようと決意しました。

この解析結果から、腸内フローラに与える影響やメタゲノムの世界にて人体に与える影響も分かる、やがて代謝物の有用性も具体的に判明する、と考えたからです。

2010年、2011年、ヒューマンメタボロームテクノロジーズ社にメタボローム解析を依頼。乳酸菌生産物質のメタボローム解析としては、業界初といえます。結果、弊社の乳酸菌生産物質は、34のペプチドを含むレスベラトロールなどの水溶性脂溶性を合わせた352種類の物質で構成されていることが判明いたしました。

乳酸菌生産物質のメタボローム解析がもたらす未来

解析結果について「弊社の乳酸菌生産物質から、34のペプチドを含む水溶性235種/脂溶性117種の352種類の代謝産物が検出された」と述べたところで、この結果が持つ意味や、数値の相対的価値をすぐに把握いただくことは難しいかもしれません。

この解析結果は、人体に有用な代謝産物とされながらも全体像が掴みにくかった乳酸菌生産物質分野にとって、業界の先駆けとなる科学的根拠です。

実際、東京大学名誉教授・光岡知足先生のへデータの報告に赴くと、「これで私の長年の研究が実証された……」と積年の思いがこもったお言葉をいただいたほどで、我々も事の重大さを痛感いたしました。

さて、昨今メディアでも話題の「腸内フローラ」という概念は、ヒトの腸内細菌グループの様相が健康を左右するとされ、様々な疾病・疾患との因果関係も取り沙汰されています。

腸内フローラとは?

しかし、メタボローム解析の結果が示すとおり、乳酸菌生産物質には健康を司る物質が多数確認されています。ヒトの腸内に近い環境で作られたからこそ、ヒトそれぞれ多様な細菌叢を織りなす腸内フローラ内にあっても定着しやすい稀有な物質「乳酸菌生産物質」……。今回の解析データは、この物質を積極的に摂取することは健康にとって大いに意義がある、という決定的証拠です。

現在の長寿大国・日本において、ますます健康な老後社会が求められています。私たち光英科学研究所は、このメタボローム解析の結果のもと、細胞レベルにおいて機能する健康食品素材として、乳酸菌生産物質が人間に必要不可欠である、と考えています。

解析データには、薬学系有識者の方々からも興味を持っていただいており、今後、薬学系の学会発表や論文の機会を設けることができれば幸いです。

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