2023.11.22

身近雑記

第157回 共棲培養乳酸菌 16種35株の同定

大谷光瑞農芸化学研究所から光英科学研究所の名称にて乳酸菌共棲培養技術を継承して、今年で54年になります。

長年の研究を経て、乳酸菌生産物質を製造するために使う乳酸菌・ビフィズス菌の共棲培養のための16種類の菌についてはすでに確定しておりましたが、菌株を共棲状態で継代培養するにあたり菌同士の組み合わせでは100組以上のグループが存在するかたちとなっていました。

ただ、乳酸菌生産物質について広く市民権を得るには、使用している菌株について第三者機関の検証が必須と考え、国際的に権威のある日本食品分析センターにて同定していただくことにいたしました。

それが今から20年前のことです。

 

日本食品分析センターの当時の、菌株同定における分析料金は乳酸菌が一株25万円、ビフィズス菌が一株50万円でした。

 

100組以上の組み合わせですので、すべて同定しようとすれば分析サンプルも多数にわたります。

ただ、依頼を受けた分析センターの担当Y課長さんは、「村田社長、一組の中に数種類の乳酸菌を組み合わせているとおっしゃいますが、継代するうちに強い菌が生き残って一種類になっていると私は思いますので、(同定に)多くの費用はかかりません。」との見解をキッパリと発言されたので、とにかくサンプルとして一組の同定をお願いすることが出来ました。

 

同定とは微生物の種名を明らかにする作業で、同定の結果菌種が判明し、同時に菌の性状が解明されます。

微生物の研究において、使用する菌株の同定が不正確であった場合はその研究自体の信頼性が落ちてしまうほど、菌株が同定されているかどうかは重要項目になっています。

 

さて、試しに一組のサンプルを提出してから1ヶ月後、Y課長さんから電話がありました。

 

「村田社長、驚いたことにお預かりした一組のサンプルの中に5種類の菌株が確認できました。その他のサンプルもすべて同定するとなると、分析金額は相当なものになると思われます。いかがですか、この先、全部の同定に進みますか?」

 

分析する菌株の総合計から見積もると、数千万円をはるかに超える金額になりますが、私に異論はありませんでした。

あえてすべてのサンプルについて菌株同定を実行することにしたのです。

 

そして日本食品分析センターによる、2年間に渡る同定作業が開始されたのです。

 

同定の詳細については、弊社ホームページにて①LACT BIOME ②乳酸菌の共棲培養 ③共棲培養の証明 ④試験報告書 全文 の順にて、タップしてご覧いただくと詳しく説明しております。

 

このように同定した結果、16種類の乳酸菌・ビフィズス菌にて、その菌株としては35もの菌株が存在していることが判明したのです。

 

16種16株ではなく16種の乳酸菌でありながら16株ではなく35株もの菌株が見出されたのは、私としてはこれこそが共棲培養のなせる業なのではないかと思います。

 

この同定の結果は、私にとっても研究人生における最大のターニングポイントとなりました。

長年にわたり継続してきた「共棲培養」にさらなる確信が得られたのです。

 

次回、年末のブログは「そうだったのか!共棲培養」のタイトルにてお届けします。

ご期待ください。

 

 




近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。

しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。

この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。

ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。

 

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