2024.12.25
身近雑記
第170回 共棲培養の真髄は16種35株からなる「チームKOEI」
歳晩の候、今年も余日わずかとなりました。
皆さまにおかれましては益々ご清祥のことと存じます。
寒さの続く中「乳酸菌生産物質」でお体を大切にしていただきたくお願い申し上げます。
さて、昨今においては「共棲培養」について多くのご質問をいただくことが多くなりました。
共棲培養に長年携わってきた者として、嬉しい限りでございます。
まず前提として、私たちの健康は一生に渡り、腸内に暮らす多種類の腸内細菌群が共に助け合いながらつくり出す代謝物質により守られております。
私たちの体の中ですでに共棲培養が行われている、ということでもあります。
その多種類の腸内細菌群はいつから体内にいるかといえば、生まれる前(胎内)では無菌の状態でありますが、人間が生まれた瞬間に外界から菌が腸に住み着いて、そこから自前の腸内細菌群(腸内フローラ)となります。
そして、腸内では細菌群がその種類やバランスを保ちながら共棲状態にて働き、人間の健康のためにと代謝物質(乳酸菌生産物質)を毎日つくり続けてくれているのです。
このメカニズムに、自然の摂理を常々感じる私です。
私たちの健康において、腸に住み着いた細菌群とその菌が働くための共棲培養が不可欠である、ことは言うまでもないと思います。
そして腸内の細菌群が共棲培養でつくり出すものを、体外の工場で生産することを目的に誕生したのが「乳酸菌生産物質」です。
名付け親は弊社先代の所長、正垣一義氏であります。
正垣所長は、天然物有機化学者・慶応義塾大学名誉教授の梅澤純夫博士と、深い交流がありました。
梅澤博士は、青カビの代謝物「ペニシリン」が抗生物質としての効用があることを見出したことで有名ですが、有益菌である乳酸菌の代謝物にも効用があることについて、大変な興味を持たれていたそうです。
梅澤博士は、「私の研究する細菌は有害菌ですが、貴方のは有益菌ですね」と言われ、研究室の学生を数十人も動員して、正垣所長の乳酸菌生産物質について、当時では珍しいアミノ酸のペーパークラマトグラフィー分析をしていただいたそうです。
私も、当時の大きい用紙を使ったクロマトグラフの現物を見て大変驚いた思い出がございます。
そして正垣所長は有益菌の代謝物の研究を深め、16種の乳酸菌が共棲培養によりつくり出すものを乳酸菌生産物質と定義するに至りました。
この研究もあくまでも共棲培養の技術が基軸になっての事であります。
光英科学研究所に研究開発が継承されてからも、機能性が優れた新規の菌との入れ替えの開発をしながらリニューアルを施し、独自の乳酸菌生産物質が完成するに至りました。
そして当社は16種の菌の第三者機関の検証をするべく、日本食品分析センター多摩研究所にて同定を2年間に渡り実施した結果、16種35株という菌種が確定したのです。
その同定作業を行ってから20年が経過しました。
当時から現在にわたり、16種35株の共棲培養で生み出した乳酸菌生産物質を、多くの皆様に愛用いただいていることを大変幸せに思う日々です。
多くの皆様のご協力があって、今日に至っていることを実感しております。
一人では成しえないことも、チームとなって働くことで叶えられることを思います。
私は最近になって、16種35株の菌群を「チームKOEI」と呼称しております。
テレビニュースでは、今年の球界のスーパースターの大谷選手がドジャースのチームの一員となって戦い、見事にチームがワールドチャンピオンに輝いている映像が毎日のように流れています。
野球は一人ではプレーはできません。
彼の実績の礎はやはり「チーム力」なのではないか、と。真髄がここにあるように思います。
今年も皆様のご支援により、ブログを続けられることができました、誠にありがとうございました。
来年も、私、そして「チームKOEI」へあたたかい応援のほどよろしくお願い申し上げます。
近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。
しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。
この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。
ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。
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