2024.03.26

身近雑記

第161回 チコちゃんは知っていた!「醍醐味」と、乳酸菌生産物質のルーツ

去る3月1日のNHKの人気番組「チコちゃんに叱られる」にて「醍醐味」ってなんの味?というクイズが出ました。

正解は、あらゆる乳製品の中で「最上のモノの味」で上質で希少な物の味ということでした。

 

そもそも醍醐味とは仏典の大般涅槃経に記載されている「醍醐」から由来したもの。

文言は「牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生酥を出し、生酥より熟酥を出し、熟酥より醍醐を出す。醍醐は最上なり」と記されております。

 

大般涅槃経は紀元前のインドで生まれた仏典ですが、当時の古代インドの食生活の中で牛乳を保存食として活用するために5段階の発酵を行って得られた食材としての「醍醐」が各家庭で広く重宝されていたために仏典にまで記載されたのではないかと私は推測しております。

 

醍醐は最上のモノとして貴族たちまで普及して貴重な食材や薬材として珍重されていたために、最上の境地を表す言葉としても使われるようになり「醍醐味」として表現されて、現在に至っているのでしょう。

 

光英科学研究所の先代の所長、正垣一義氏は1944年に大谷光瑞農芸化学研究所の次長として、京都・西本願寺の大谷光瑞師のアドバイスを得て16種の乳酸菌の共棲培養法を編み出しました。

そして正垣氏は乳酸菌の代謝物を生産することに成功して、現在の乳酸菌生産物質が誕生するに至っております。

 

それではここで、乳酸菌生産物質の製造工程を念頭に「醍醐」の作り方を考察してみたいと思います。

 

「醍醐」の作り方については、発酵物の物理的変化、香り、味、発酵温度の変化の様子を ①牛②酪③生酥④熟酥⑤醍醐 の5段階に、見事に区別して表現されています。 ここから古代インドで醍醐をつくる際、培養が進展して行く過程を観察する熟練された特技を持っていたことが伺えます。

 

また、醍醐の発酵に使用する菌(スターター)については、培養するための容器(皮の袋や壺など)の内側に、おそらく常時バランス良く住み着いている複数種類の菌が存在しており、それらが牛乳を栄養として発酵が始まり、複数種類の菌が相互に働いて自ずと共棲培養を形成していた事が考えられます。

 

結論を申し上げますと、乳酸菌生産物質の製造に欠かせない16種類乳酸菌の培養技術も、仏典の中に記載された「醍醐」の存在が礎になっていて、まさに乳酸菌生産物質のルーツは2500年前にあったという事になりますが…平成・令和の世になってやっと乳酸菌の代謝物の機能性が科学的に証明されてきていることを鑑みると、ここまでずいぶんと長い年月がかかってしまっています。

 

テレビ番組ではありませんが、ボーっと時間を過ごしていると、チコちゃんに叱られてしまいますね。

 

今後も力一杯、世界の人々の健康増進のために乳酸菌生産物質の普及に努めてまいる所存でございます。

 

 




近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。

しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。

この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。

ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。

 

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