2024.09.25

身近雑記

第167回 乳酸菌のチームつくりと共棲培養

年々、日本の夏の暑さが厳しくなっているように感じます。

今年は9月に入っても猛暑が続いておりましたが、暑さ寒さも彼岸までと言われるようにやっと最近、朝晩の涼しさを感じるようになりました。

当ブログをご覧の皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。

 

さて、今回も乳酸菌の立場に立って、当社の乳酸菌生産物質の製法の軸である「共棲培養」について、「乳酸菌のチームつくりと共棲培養」というテーマでお話させていただきたいと思います。

 

まず前提として、人間の腸内には多種多様な微生物が生息しております。

それらの腸内細菌は単独で生息しているのではなく、多くのチームを形成して腸内で暮らしています。

 

そして腸内の細菌チームがバランス良く、まるでお花畑のように叢(くさむら)をつくっていることから、その様子のことを「腸内フローラ」とも呼びます。

 

腸内では細菌チームそれぞれが共に発酵し、体の健康に寄与できる代謝産物をつくり出しています。(こうして共に助け合いながら発酵している様子は、光英科学研究所の「共棲培養」の考え方の礎でもあります)

 

腸内の菌のチームのバランスはヒトが生まれた時から変化なく維持されており、人間と腸内細菌は一生を共にします。

人間は腸内細菌に腸管という生息地を提供し、腸内細菌はそれに応えるかのごとく代謝物を生産し、人間の健康を司ります。

私はいつも、ここに自然の摂理のすばらしさを感じます。

 

さて、菌のチームづくりについて、もっとお話をさせていただきたいと思います。

 

スポーツの世界では、一人ひとりが試合を勝ち抜いていく個人戦や、チームで試合をする団体戦など、さまざまな試合方法があります。

人間の腸内においては、腸内細菌同士が共生して代謝物を作っていますので、スポーツに例えるとチームによる団体戦であり、総当たり戦とも言えるでしょう。

 

乳酸菌生産物質は、体の外の工場にて共棲培養を行いますので、製造においては乳酸菌のチームつくりが重要となります。

スポーツのチームにおいても、メンバーのチームワークが大事なように、チームを組ませる菌同士の相性がポイントとなります。

互いに助け合い、高め合う関係が大事なのです。

 

実際、当社の乳酸菌生産物質の製法が確立するまでには、相性の良い菌のチームつくりに長い年月がかかりました。

 

相性の良い乳酸菌で小さいチームを複数つくり、それらを一度に集めるのではなく、段階を経てチーム同士を組み合わせます。

最終的にチーム全部がまとまり、すべての菌同士が共棲している状態になったものを、光英科学研究所では乳酸菌生産物質製造のマザースターターとして使用します。

 

このマザースターターを構成している乳酸菌のチームについて、日本食品分析センターにて2年間かけて同定し、16種類35株からの構成であることを確認しています。

 

以上が「16種35株の共棲培養」という製法に至る経緯でございます。

 

学術界の論文等を拝見しますと、複数種の菌を同一環境で培養することを共培養と表現されていますが、共培養と、当社が乳酸菌生産物質の製法としている「共棲培養」は歴然とした差異があることをご理解いただければ幸いでございます。

 

そして、体の中にしても外にしても、ヒトの健康に寄与できる乳酸菌の代謝物をつくり出すことに目的があることは言うまでもありません。

 

 




近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。

しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。

この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。

ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。

 

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